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「ミュージカル創作ワークショップ2022 第1回」 無事終了しました!

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ミュージカルライターズジャパン
「ミュージカル創作ワークショップ2022 第1回」
〜アメリカンミュージカル・ソングライティングの基本 AABA形式を使いこなそう〜

無事に終了しました!

作詞家2人、作曲家3人の参加者の皆さんに終始意欲的なご参加を頂き、また、たくさんの聴講の皆さんに見守って頂きながら、全3日、約1ヶ月にわたるワークショップを終えることができました。ありがとうございました!

以下に概要をご報告させていただきます。

 

事前課題(リスニングリスト)

参加者の皆さんには、あらかじめ以下の曲を聴いてきて頂きました。

  • If I Loved You(『回転木馬​​』より)
  • It Might As Well Be Spring(『ステート・フェア』より)
  • Send in the Clowns(『リトル・ナイト・ミュージック​​』より)
  • You Don't Need To Love Me(『イフ/ゼン』より)
  • Crossing A Bridge(『アナスタシア』より)
  • Some People(『ジプシー』より)
  • Anything You Can Do (『アニーよ銃をとれ』より)
  • *Firework(アルバム『ティーンエイジ・ドリーム』​​より)

 

1日目:アメリカンMT(ミュージカルシアター)ソングにおける重要な概念の紹介、AABA形式の実例を通しての考察

「なぜ歌うのか」という問いを中心に、AABA形式を含む、アメリカンミュージカル・ソングライティングにおける重要な概念と、歌詞と音楽の両面におけるライティングの秘訣を紹介し、それらが実際どのように曲に反映されているのかを事前課題の中から3曲を取り上げて考察しました。
参加者の皆さんには次回に向けて、今回取り上げなかった曲の中(*Fireworkを除く)から各自1曲を選び、本日紹介した概念や視点を元に考察してきて頂くことを課題としました。

 

2日目:AABA形式の成立までの歴史的過程を概観し、現在の形式の使われ方を考察する

課題発表を経て、本日の主題としてAABA形式とVerse Chorus形式(AABA形式と並んで現在代表的なアメリカンMTソングの形式)を対比させながら、形式の歴史的変遷を概観しました。
それらを実際の曲の中で実感すべく、以下の4曲に対して1日目よりもさらに詳細な考察を行いました。

  • Jingle Bells
  • Oh What A Beautiful Morning(『オクラホマ!』より)
  • Firework(アルバム『ティーンエイジ・ドリーム』​​より)
  • For Forever(『ディア・エヴァン・ハンセン』より)

参加者の皆さんには、これまでに重ねてきたAABA形式の理解を、実際の曲作りに落とし込むことで確実にツールとして獲得して頂くべく、ついに次回、こちらで用意した写真をインスピレーションに、32小節のAABA形式の曲を書いてきて頂くことを課題としました。

 

3日目:課題発表、フィードバック・ディスカッション

いよいよ課題発表です!
発表〜フィードバックの流れは、まずは発表者に曲の紹介をして頂き、事前に提出して頂いていた音源(作詞家は歌詞の朗読、作曲家は曲の演奏)を流し、その後講師が発表者と他の参加者の皆さんに曲についての質問をさせて頂いて理解を深めた後、最後にリライト(曲をさらに良くする為に適宜書き直しを加えること)に向けて講師から幾つかの具体的な提案をさせて頂きました。
どの曲もこれまでのワークショップでの内容を組み込んで下さった素晴らしい出来で、また作品についての対話の中から重要な視点の考察がさらに深まり、集大成の1日となりました。

 

初回の自己紹介で、参加者の皆さんがそれぞれミュージカルに惹かれたきっかけ、そしてソングライティングについてもっと学びたいという思いをシェアして下さったことが心強く、2日目の課題発表では、前回お伝えした数々の視点を作品分析のツールとして使いこなし始めて下さっている事に感激し、3日目の課題発表では、それまでのレクチャーをしっかりと咀嚼した上で、皆さんがそれぞれ作家として悩み抜いて書き上げて下さった作品を見て、胸が熱くなりました。
また、同じ課題に対して5人の視点から取り組んで頂いたことにより、多様なアイディアや質問が発生し、ワークショップならではの学びが生まれたことをとても有り難く思いました。
それもこれも参加者の皆さんが意欲的に取り組んで下さったおかげで、まさに皆さんと作り上げたワークショップでした。本当にありがとうございました!

次回のワークショップ「アイアムソングについて学ぼう」は秋頃を予定しています。今回参加して下さった皆さんにはもちろん、そして今回聴講して下さった中でライターの方にもぜひご参加を検討して頂けると嬉しいです。
また皆さんとお会いできますことを今から心待ちにしています!

講師 岡田あゆみ

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